榎本良三
最初、庭園のある博物館のような所へ行く考えもあったが、そこが、開園する日が不定期であったので場所を変更した。「沢乃井」という三多摩では有名なお酒を作っている酒蔵である小沢酒造が経営している「櫛かんざし美術館」は、御獄の沢井にある。櫛かんざし美術館は、多摩川の上流の谷間の橋を渡った所にあり、その橋は小沢酒造のある所から少し手前にあったように記憶している。そこは駐車場も広く、建物も美しい建物である。パンフレットを読むと世界的に有名な岡崎智子さんの40年に渡るコレクションを中心にして収蔵されているという。私は岡崎智子さんを知らないが、おそらく北斎や歌麿呂の作品がそうであるように、外国の影響を受けない日本の伝統的な工芸品として評価され有名になっているのだと思う。私はそんな日本の櫛やかんざしをつけて、美しい女性の着物姿を連想すると何となく行って見たいような気になった。美術館まで立川からはかなり遠く、タクシーで1時間近くかかると予想されたので私はかつて車に1時間近く乗った所、途中で腰が痛くなった経験があり、また今回も同じような事になるかも知れないという不安もあったが、それを振り切って出掛けた。幸い今回はそのような事もなく、無事に美術館についた。